2009年8月24日月曜日

アフターダークの考察

村上春樹の「アフターダーク」読みました。
まず英文で、その後日本語で読んだけど、驚いたことに印象が違った!
(今までは日本ですでに読んだ本だったから、違和感がそんなになかった)

男の子が女の子にいう一言なんだけど、
英文では「I know a restaurant nearby that makes a good omelet」になってて、
オムレツかぁ、なんかおしゃれな感じだなぁと思ってたん。
で、日本語版見たら「うまい卵焼きを出してくれる食堂が近くにあるんだ」ってなってるん。

えーって感じですよ。
だって卵焼きとオムレツじゃ、その台詞の雰囲気がまるで違うし、
前後の感じも違う。
もしかしたらアメリカではオムレツが卵焼きレベルなのかもしれんけど。
けど、オムレツと卵焼きは違うだろ。

たった1文ではあるけど、食べ物の違和感はぬぐえない。
吉本ばななのキッチンにもカツ丼がでてくるけど、
この場合、同じような意味の英語がないせいか、そのまま「katudon」になってる。
でもカツ丼の持つイメージが共有できない人には、
キッチンの良さは完璧には伝えられないと思うんだ。

そう考えると、原文で本を読むって言うのは大事だなぁ。
でも食文化とか考え方、気候風土とかを知らないと、
結局原書を読んでもすとんと取り込めないのかも。
アフターダークでも、曲名がたくさん出てくるけど、
知らない曲ばっかりだから、雰囲気がわかんないんだよね。

小説を読むって言うのは難しいことです。